主に旅行会社から派遣会社に依頼が流れ、派遣会社のインバウンド業務担当者から業務の打診があります。
大がかりな案件を除けば、一般的なアサインの連絡はおおよそ0ケ月くらい前からですが、1週間を切っている相談もよくあります。
About inbound訪日インバウンドとは
訪日インバウンド業務の流れ(モデルケース)
仕事はどのように流れるのか、モデルケースを覗いてイメージしてみましょう。
今回は、ビジネスと観光を合わせた目的で訪日するご夫婦がゲストのようです。
ゲスト来日の2日前か前日に、旅行会社に出向いて行われるのが一般的ですが、出迎えや移動のサポートなどの短時間の業務は、電話やメールで済むこともあります。
行程表をもとに、ゲストの訪日目的や嗜好、手配内容を確認します。ゲストの顔写真が提供されることもあります。
Day 1
空港に向かう前から、フライトの運行状況を確認し、早着や遅延の場合に備えます。
空港では指定された交通機関の状況を確認します。貸切バスやハイヤーであればドライバーと事前打合せをし、リムジンバスや列車の場合は運行状況をします。
来日のお出迎えでは、あなたの笑顔が日本の印象を決めると言っても過言ではありません。思いっきり素敵な笑顔でお迎えしましょう。
移動の前に、おおよその所要時間をご案内し、洗面所や両替所ご利用の有無を確認します。最近はWi-Fiルーターを現地レンタルする方もいますので、尋ねられたら案内できるようにしておきます。
改めて歓迎の意を伝え、日本滞在の基本情報や自己紹介を交え、行程の確認をしつつゲストの求めているものをそれとなく探ります。
途中、車窓の景色を簡潔にご案内できるようにしておきます。また、貸し切りのバスやハイヤーであれば、ドライバーの紹介も入れると一体感が生まれ、車内の雰囲気がさらによくなります。
行程に含まれる観光地については、事前に知識を入れておき、外国人ゲストが興味を抱きそうなことを情報をインプットしておきます。
入場の手続き、外国語パンフレットの入手、道案内から臨時カメラマンまで務めます。ガイディングまでできるとなると仕事の幅は大いに広がります。ハイヤーの場合、ドライバーへの次の配車時間や場所の指示も大切な業務です。(行程や時間帯によって、ホテル、観光、食事等の順番は異なります)
ユネスコの無形文化遺産となった「和食」をはじめ、日本の食を体験することは、外国人ゲストにとって大きな楽しみの一つです。店が指定される場合や、自由に選ぶこともありますが、食事を共にし、食べ方や素材についての説明をしつつ、様々なトークが交わされます。
ゲストによっては、アレルギー、体調や宗教などの関係で、食べられないものもありますので、事前の情報収集が必要です。
また、ゲストの要望によってレストランの予約を入れることもあります。
ホテルスタッフとゲスト間でチェックイン手続きが行われますので、訪日インバウンドスタッフは、その側でサポート役に徹します。お部屋が和室の場合は、必要に応じてお部屋まで同行し、簡単に使い方の説明も加えるとよいでしょう。
夕食や朝食の時間と場所を案内し、明日の集合時刻を確認したら、ゲストとは解散です。明日の手配を再確認し、宿泊を伴わない場合は帰宅します。
Day 2
本日の行程は、ご主人はお仕事で国際会議に出席、奥様はフリータイムを満喫の予定。ホテルのロビーで集合し、ハイヤーで国際会議の会場へお見送りし、その後は奥様に同行し、ご希望のエリアをご案内します。
ゲストの求めるもの・嗜好を事前に調査し、お気に入りのもの探しをお楽しみいただきます。日本の免税手続きについて理解し、説明できるようにしておきます。
どこに行きたい、何をしたいと、事前に決めているゲストばかりではなく、 “日本ならでは体験がしたい、景色が見たい ”といった、やや漠然とした要望の方もいらっしゃります。そのような時にアイデアに困ることが無いように、日ごろから様々な“引き出し”を増やしておき、プランニングできることが、訪日インバウンドスタッフの腕のみせどころです。
Day 3
移動のため、ホテルをチェックアウトします。チェックイン同様、ホテルスタッフとゲスト間で手続きが行われます。お部屋での個人精算と鍵の返却を確認し出発します。移動のハイヤーが動き出す前に、パスポートを始め、忘れ物がないか、必ず注意を促すことが大切です。
ゲストは新幹線に乗って、次の都市へ。大きな荷物を持つゲストの不便を軽減できるよう、駅での降車場所、改札口、エレベーターのある動線等を事前に頭に入れておきましょう。
出発ホームでは、到着駅でのお出迎えがある旨を案内し、お別れの挨拶をします。列車が出発するまで見届けます。
業務終了後、3つの報告先があります。
- 到着駅でゲストを迎えるスタッフへの引継ぎ(車両・席番など)
- 旅行会社担当者への終了報告
- 派遣会社担当者への終了報告
行程中のイレギュラー時(例:列車の予約の変更、荷物の破損や紛失、体調不良時の病院への同行など)の対応も行います。